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タイラーへ 父マークより

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やぁ!タイラー坊や。今頃は君に、上手にボールが投げられるように教えてあげなくてはいけない頃だね。お姉さんを追いかけて家中を走り回れるように、足も鍛えなくてはね。ママとパパは君を電車や飛行機に乗せて世界中に連れて行って、めまぐるしい世の中を見せてあげたかったよ。幼稚園に行く君が友達(もちろん喧嘩相手もね)を作るのを見るのを楽しみにしていた。プレゼントを買ってあげたり、行ったことのないところへ遊びに連れて行ってあげて、君が私たちの周りの世界をどんどん自分のものにしていくところを見るのを楽しみにしていたよ。ラグビーの試合にも連れて行ってあげたかったなぁ(サッカーの方が好きならサッカーでも良いよ)。アフリカに行って野生動物を見せてあげたかったし、世界中に散らばっている素晴らしい親戚の一人ひとりに君を紹介したかった。もう少し一緒にいろんな音楽を聞いて、私たちの好みが似ているか確かめて見てみたかった。ナタリーが君と一緒に遊ぶところも見たかったし、君にいたずらなんかも教えてあげたかった。もっといろいろなことを教えてあげたかったし、君からもたくさんの刺激をもらいたかった。

君が自分のテリトリーを意識するにつれて兄弟げんかも避けられないだろう。その仲裁もしてみたかった。君が興味のある分野で数々の勉強を成し遂げて卒業する姿を見たら、どんなに自慢だっただろう。ビールを一緒に飲みたかったし、世界のあちこちでゴルフをして一番厄介な話題について延々と話してみたかった―そう、女の子のことなんかもね。

でも何よりも、タイラー、僕は君の自慢の父親でいたかった。こんなにも君に話したくて、教えたいことがたくさんあるんだ。

実際ね、タイラー、いろいろなことを僕に教えてくれたのはむしろ君のほうだった。この2年間君の受けた衝撃を思うと謙虚な気持ちになれる。まず友人というものの大切さを私に知らしめてくれた。お見舞いに来てくれて、君を寝かしつけてくれたり、白血球の数値、プレドニゾン、好中球、リンパ球、プラズマ、血小板、タクロリムス、微少残存病変、乾溜、凝固、再発、骨髄移植、臍帯血、寛解、カテーテルなどなどの悲観的な状況が続いていたときに、これを受け止めようと苦悶する私たちの愚痴をみんな聞いてくれたり、さまざまな方法で気持ちを示してくれた。

それに君は離れ離れに住んでいる私たちの家族がそれぞれの違った形で支えてくれていることも気づかせてくれた。おばあちゃんは“彼の代わりに私を連れて行って”と神様に願ってくれたし、おじいちゃんのドン はいつも徹夜で病院に付き添ってくれた。看護師さんたちも献身的な働きをしてくれたね。

また、君は日本という国に対する新しい見方も教えてくれたね。君の先生方や看護師の方々が目の前の問題に対して示してくれた努力と親身な看護は驚きと言う言葉では表しきれないものだった。これ以上のケアを望めるところが他にあるとは思えないほど。

お姉ちゃんのナタリーに感謝することも教えてくれたね、そして君のお母さんにも!!そう、1993年に初めてママに会ったんだよ。彼女に手紙を書いたんだ「あなたはとても個性的な才能があり、魅力的でセクシーで、素敵で一緒にいるととても楽しい」って。当時は彼女がこの2年間で目の前に現れた数々のチャレンジに立ち向かっていくなんて考えても見なかった。そして美しい姿を少しも乱すことなく私とナタリーのための時間を作り、家族の絆を深めてくれた。

今私は、これらの大切な教訓に気づくことも無く君が家で、君がいわゆる普通の子どものように騒いでいた方が良かったのかどうかと自問している自分に気づいた。多分そのほうが良いだろう、でも、それは君が私たちに教えてくれた大事な教訓を無にすることになってしまう。人は生き続ける。恨みや憤り、自分に対する哀れみは捨てて立ち上がり進まなくてはいけない。君が何度も、何度もそうしていたように。

この教訓を私は私の人生に活かして行くよ。タイラー、ありがとう。

タイラー、いつまでも愛しているよ。

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タイラーに贈る言葉 - Kim
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